卒業生紹介

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インタビュー

この商店街には、お客様も知見もチャンスもあふれています。活かすも殺すも自分次第、野心を持ってチャレンジを。

合同会社ほうせき箱 代表社員

岡田 桂子 様

Keiko Okada

出店当初は「夢CUBEで伝説を作るぞ!」とか言っていました(笑)
お互い、何か爪痕を残したいね、みたいな思いでした

「ほうせき箱」の夢CUBE出店までの経緯を。

実は私は、以前に夢CUBEの1期生として別の店を出していたことがあるんです。2007年の起業で、その時は台湾茶や大和茶を販売するお店でした。
夢CUBE卒業後は他所で「おちゃのこ」という店をやっていましたが、そこに平井(合同会社ほうせき箱の共同経営者)が来てくれたのが事の始まり。後で聞くと、「おちゃのこ」で食べたかき氷がものすごく美味しかったのが「ほうせき箱」を思い立つきっかけだったそうです。

その後、私が退職を考えていた2014年12月頃に平井から「かき氷の会社を立ち上げよう」という誘いを受け、考えた末、一緒に起業することになりました。
そして出店する物件を探していた時にちょうど「夢CUBEが募集していますよ」という話を聞いた次第です。
私はこの奈良町にものすごく思い入れがありましたし、平井自身も小学校が近所だったり、以前に猿沢池のそばで店を出していたという経緯もあって、我々にとってこの界隈はすごく懐かしい場所でした。

2015年3月、夢CUBEで「ほうせき箱」をスタートしました。
店名には2つの意味があって、一つは奈良の昔の方言でおやつのことを「ほうせき」と呼ぶんですが、奈良の文化をぐっと詰め込んだ、素朴で懐かしくて温かみのある商品を提供する店にしたいという思いをこめています。
もう一つは言葉通りジュエリーの意味で、世界中からお客様が来られて、色とりどりの賑わいや宝石のような笑顔が小さい箱の中にギュッと詰まっているという意味合いです。
出店当初は平井と二人で「夢CUBEで、もちいどので伝説を作るぞ!」と言っていました。あんまりそういうのを出さない方なんですけど、当時はなぜかギラギラしてましたね(笑)このタイミングで何か爪痕を残したいよね、みたいな思いがお互いにありました。

出店時はどんなことに苦労されましたか。

立ち上げ時は私たちもそんなにお金がなかったのですが、平井の知人を介して、廃業する結婚式場に残されていた椅子や食器、冷蔵庫などを譲り受けることができました。テーブルや棚もほとんど貰い物です。
他にも前のお店が使っていたカウンターや仕切りをそのまま使わせていただいたりして、結局100万円以内の設備投資でスタートさせられたんです。

私たちの場合はとても幸運な例だと思いますが、今でも起業を志す人たちから最初に店を立ち上げる時の心得を聞かれると、「とにかく経費や設備にはお金をかけるな」というのは常に言っています。
結局チャレンジショップなので、どうなるか分からないじゃないですか。そこに最初から何百万も投資をして、回収できんかったらどうするつもり?というところから商売をスタートさせた方が、身の丈に合った成長ができると思います。

今でも時々「ほうせき箱って、夢CUBEになかったっけ?」と聞かれます。
夢CUBE出身という心のよりどころ、誇りみたいなものはやっぱりありますね。

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夢CUBEの良さは。

一つは、同じ起業家でありライバルでもありますが、色々な業態の方々が商売をされていて、近くを通る時とかお互い刺激になる情報を得られる点です。
もちいどの商店街の、それこそ100年以上商売をされている店の大先輩から「こういうルールで商品を置いたらこんなふうに売れるよ」みたいな話を直接聞かせてもらったり、まさに商売の教科書といえる事例が身近に山のようにあって勉強になりました。

それと夢CUBEに入っていると、構ってくれる人がものすごく多いんですよ。困ったことがあれば周りの店や事務所の人が相談に乗ってくれるし、お客様もそうです。
夢CUBEという場所には、地域の人たちが何か応援してあげたくなるようなものがあって、温かく見守ってくれるし困った時には手を差し伸べてくれるという、そういう連帯感というか力のようなものを感じます。
多くの店主たちが夜12時を回っても電気つけて仕事をしていたりしますが、そういうのを見ている方は見ておられたんだなと思うんですね。もちろん、それを裏切ってしまうようなことがあってはならないので、そこはもう自分たちがもっともっと頑張らないといけないなって。

今でもけっこう言われますよ、何年かぶりに来たお客様が「ほうせき箱って、夢CUBEになかったっけ?小さいとこでやってましたよね」みたいな。そこは夢CUBE出身ということが私たちにとってもすごい心のよりどころでありブランドであり、ちょっと誇りみたいなものがやっぱりありますね。

今やかき氷は奈良の風物詩として定着した感があります。「ほうせき箱」はその火付け役となりました。

世間では「奈良にうまいもん無し」とずっと言われ続け、メディアもそれを面白がる中、奈良で食の仕事をしている私たちはものすごいコンプレックスを持っていて、これを逆転するにはどうすればいいか?とずっと課題だったんです。
特に平井は柿の葉寿司や日本料理の店で色々試行錯誤してきた立場ですが、劇的な世論の変化を促すには至りませんでした。
そんな時に私たちが注目したのが、かき氷だったんです。

かき氷って、まず見た目がすごく美しいですし、食べても美味しい。奈良県の素材を使えば地産のアピールもしやすいし、さらにSNSでの広がりという点でインフルエンサーとの相性も良い。当時のタイミングにちょうどハマったプロダクトというか食文化だったんですね。
おかげさまで当店は開店当時から行列店として注目され、メディアの取材もたくさん来ていただきました。夢CUBE自体の影響力・注目度はもちろん、「おちゃのこ」からのファンもたくさんいましたし、様々な情報発信の機会を頂きました。

とはいえ「ほうせき箱」1店舗だけの影響力は微々たるものです。だから私たちはここ10年、様々なイベントやフォーラムを通じて、県内外のかき氷店との関係構築や商品のレベルアップ、かき氷ファンのコミュニティ形成といった取り組みを進めていきました。
その結果、マーケットは大きく広がり、かき氷のバリエーションと魅力も何十倍、何百倍になっていったんです。
氷室神社さんや奈良のかき氷店さん、食材を提供してくれた皆さん、かき氷を楽しみたいファンの方々、そういう人たちの熱い思いが現在のかき氷ムーブメントを作ったのは間違いありません。

「どんな人が入ってくるのかな」というワクワク感が夢CUBEの魅力。
若い人材が奈良にもどんどん出てきていて、楽しみでしかありません

夢CUBE卒業後の関わりは。

平井が中心となって、夢CUBEの卒業生でLINEコミュニティを作っているんですが、そこで卒業後の頑張りを確認できたり、遠方に行った人がこれをきっかけに遊びに来てくれたりしています。
今後は卒業生グループが現役の夢CUBEの起業家たちとも上手に交わっていくことでもっとみんなが刺激を持って、この夢CUBEという根っこの部分を共有しながら活躍していければという期待感がものすごくあります。

世の中に数多インキュベーションと呼ばれるものがある中で、卒業生がコミュニティを持っている例ってないと思うんですよね。高校の同級生みたいなノリで起業家たちがつながり、そのコミュニケーションが将来にも生かされていく、そんな未来がすごく楽しみです。

これから夢CUBEに来る人に伝えたいことは。

これはちょっと残念な話ですが、最近は夢CUBEに店を出すことが目的になっているような出店者の方もちらほらいらっしゃいます。
ここはチャレンジショップなんだから、目的になってはダメなんですよ。野心の「や」の字もない、軽い気持ちで「自分の店を持ちたいな」とやっても、家賃が安いと何とかなってしまう。そういう方が増えると全体のモチベーションも下がります。

野心が全てとは言いませんが、やっぱり何かしら自分の人生を賭けてチャレンジしてほしいって私は思うんです。夢CUBEの応募条件に「新しい事業に取り組んでるかどうか」というのがあるのはそのためで、立地や出店条件がいいとか、スペースがちょうど合うとかだけで入ってきてもらうところではないと思います。
とにかくこの商店街には、お客様も知見もチャンスもあふれています。それを活かすも殺すも自分次第だと思いますので、ぜひ積極的に挑戦してもらいたいです。

これから夢CUBEに来る人に伝えたいことは。

チャレンジショップのいいところは、やっぱりオリジナリティです。他にない店が集うことで、ナショナルブランドが密集しているような街とは違う地域の魅力みたいなものを創出できます。そこに夢CUBEという仕組みは必然で、商店街としてもそこに力を入れてほしいです。
そのためにも新しい施設はちゃんと地域に見合った適正家賃を設定して、同時に「ここに出店すればこんなメリットがありますよ」というのをPRして、本気の人たちがどんどん集まるような施設になればと思います。

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あと夢CUBEの卒業生で、足袋スニーカーのお店を奈良と鎌倉に展開して次はパラグアイで起業するという方がいるんですが、そういうすごい起業家の人たちは「自分はこうありたい」というのをちゃんと体現して行動していて、努力もされているので、その姿はものすごく刺激になります。
そういう方も含め「どんな人が入ってくるのかな」っていうワクワク感が夢CUBEにはありますし、最近は30代・40代の若い層にも今まで奈良にいなかったような人材がどんどん出てきていて、もう楽しみでしかないですよね。
私たちは今日までずっと応援していただいた側なので、これからは頑張る人たちを応援する立場に回らないと、と思います。そういう人たちが集ってくる夢CUBEであってほしいですね。

店舗情報
kakigori ほうせき箱

住所:奈良市餅飯殿町47

電話:0742-93-4260

営業時間:10:00~17:00(土日は10:00~17:30)

定休日:毎週木曜日

ホームページ:https://www.instagram.com/housekibaco/

kakigori ほうせき箱
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