卒業生紹介
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インタビュー
鹿や大仏だけじゃない奈良の色々な魅力にスポットを当てれば、お商売の可能性はもっと広がると思います。
CHEESE CAFE soan オーナー
町田 美保 様
Miho Machida
夢CUBEの面接で「私、このために移住するんです」と言いました。
すごく伝わった自信があります
お店のコンセプトについてお教えください。
「日本最古のチーズ『蘇』の発祥地である奈良から、日本の最新のチーズを発信する」というのがテーマで、北は北海道から南は九州まで、日本全国から取り寄せたチーズを広くご紹介しています。
例えば今取り扱っている千葉の職人さんのチーズは、加熱殺菌した後にご自分がブレンドした乳酸菌で熟成させているのが特徴。チーズは菌が肝なので風味も違ってくるんですよ。
日本では法律で加熱殺菌した牛乳を使わないといけませんが、海外では加熱殺菌しない状態で作ったりするので、そこで入り込む菌の作用で独特の香りやクセが出ます。その点では日本のチーズってやっぱり優しいというか食べやすいです。
それとチーズケーキは全部オリジナルのレシピで季節ごとに違ったものをご提供しています。あとはキッシュやグラタンなどチーズを使ったお料理で、夜も一応ワインとチーズを出せるようにしていますが、こちらはまだこれからというところですね。
起業までの経緯は。
奈良教育大学に美術で入って学生の4年間は奈良にいて、卒業後は影絵の児童劇団に就職するために東京へ行きました。サークルでやっていた人形劇がすごく楽しくて、また影絵の切り絵作りとかも性に合っていたんです。
それからケーキ屋でバイトしたり、結婚したりと色々ありまして、でも東京にいても奈良はずっと好きで「いつか住みたいな」という思いは心に持っていました。奈良には友達もいるし休日はよく訪れていました。
その後離婚したのを機に、もう好きな場所で好きなことをやろう、とりあえず奈良に移住しようと決めました。そこで自分のスキルの洗い直しをして「奈良でカフェをやるんだったら、チーズケーキを主体にすれば面白いかも」という考えに至り、東京の梶田泉先生のところでチーズの勉強をして、そして創業という流れです。
だからいろんな人に「チーズが好きでお店を始めたんですか?」って言われますけど、ちょっと違うんですよ。
夢CUBEのことを知られたきっかけは。
お店の物件探しをしていた時に夢CUBEの存在も知っていたんですが、当初は募集がありませんでした。それが移住予定を2021年の8月と決めてから、その5月にたまたま夢CUBEの応募が始まったので「あっ!」と思って。
観光客や地元のお客様もいるし、駅にも近いし、立地的な条件はバッチリでした。まして自分は1人で移住の身なので、起業をサポートしてもらえるという謳い文句にも引かれ、ここで出店するのが一番賢いと思って応募しました。
ぶっちゃけると、募集がかかった時点で「これは私、受かるわ」と確信しました(笑)
本当はとりあえず移住して職業訓練やバイトをしながら先を考えるつもりだったんですが、そこにドンピシャのタイミングで話があったので、もうこれは「そういうこと」なんだなと。だから面接でも「私、このために移住するんです」と言いました。すごく伝わった自信がありますね。
3年間という枠の中で、失敗してもいいからやりたいことを全部やってみる
とにかく経験値が貯まります。
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町田様から見た夢CUBEの魅力についてお教えください。
大きく2つあって、1つは人脈を築ける点、もう1つは挑戦がしやすい点です。
人脈は本当に大きいですね。夢CUBEの同期や一緒にお店出している人もですし、餅飯殿センター街のお店とのつながりもそう。「夢CUBEでお店出します」ってSNSで発信した時には、このつながりで地元の方とか奈良でお店やっている方の間でパーッと広がって、皆様からのサポートがすごかったです。夢CUBEは未経験からの出店者しか入れないから、新しい店を応援したいという方が結構周りにいらっしゃったりとか、近隣の方々も「夢CUBEに新しい人が来たんやね」「面白そうやから来たよ」みたいな感じで常連さんになってくださったり、とにかく人と人とのつながりが広がるのがメリット。これは奈良という風土のいいところでもあると思います。
夢CUBEの人のつながりが貴重だというのは、皆様おっしゃいますね。
うちの隣に入っていた猫雑貨屋さんと「猫の日に一緒にコラボしましょう」と誘って盛り上げたり、1年違いで入られたカフェの方には同業ということで「先月はどうやった?」とか「去年の今頃はどんな感じでした?」みたいな話をしたりしていました。
他の場所だとライバル店同士でバチバチになるかもしれませんが、「みんなで頑張ろうね」となるのが夢CUBEに限らず奈良の良さだと思います。
あと大きかったのは先輩方の存在です。以前、融資の申し込みをした時は手続きが色々難しくて、私は経験がなかったので先輩に相談して法律的に何がNGなのかを教えてもらったり、店を移転する時も補助金のことなど経験者の方からアドバイスを頂けたのはすごく救われました。
起業する上で必要なことや分からないことを聞ける相談相手が近くにいっぱいいて、すぐに知識の共有ができるので、ものすごく助けてもらえる。本当にありがたいです。
もう1つの魅力「挑戦がしやすい」というのは?
チャレンジショップというだけあって、お商売でやってみたいことを小規模で気軽に試せるという点です。
例えばテイクアウトやお弁当を試してみて「やってみたら意外と反応いいな、でも継続的に出すの難しいかな」とか、「観光シーズンはこれを売って閑散期はこれをやる」とか。3年間という枠の中で、失敗してもいいからやりたいことを全部やってみることで、とにかく経験値が貯まります。
少し話が逸れますが、お店を始めてみて分かったこととして、奈良の人って外で食べるよりもお家で食べたい人が圧倒的に多い。開店当初は店内で1人で食べてもらうつもりでしたが、始めて1週間目ぐらいで「持って帰れないの?」とたくさんの方に聞かれて、そんなに需要あるんだ!と。それでテイクアウトにめっちゃ力を入れなきゃ、となったんです。
奈良の人ってお家の時間を大事にされている方がすごく多くて、友達と外でご飯食べようと誘っても「家で食べる」と言う子が多い。家族仲が良いんですよね。それに奈良の人は田舎の良さと都会の良さを併せ持っていて、人との距離感を取るのも上手だと感じます。
何せ昔の都なので、そういう他者や地域の人とうまくやっていける気質が県民性の土台にちゃんとあるのかしら。だからこそ奈良では文化が廃れずに脈々と受け継がれてるのかも。そういうところもすごく素敵です。
夢や希望を持って、強い覚悟があれば
何だって乗り越えられます
2024年に夢CUBEを出られて、今後Soanをどのように展開していきたいですか?
いずれはチーズケーキを作るセントラルキッチンみたいな工房を持ちたいです。やっぱりチーズケーキが一番メインで売れるしお客様に喜んでいただけるんですが、生産が本当に追いつかない時が結構あるんで。だからケーキ作り専門の工房を別に設けて、ゆくゆくは卸売りや催事での販売もやっていけたらいいなって。
それと多店舗展開ですね。ケーキだけを売る店とかワインとチーズを出す店とか、同じチーズでも和っぽいお店とか、チーズをコンセプトにした色々な切り口の店舗を出したい。チーズって可能性が広いので、まだまだやれることはあると思います。
もし工房ができたら、そこで障害者雇用を積極的に行いたいと考えています。今は飲食をやりたいという人が少なくなっているようですが、それならちゃんと仕事をこなしてくれる障害者の方々を雇用した方が賢い。これに関しては私もある程度の知識があるので、ぜひチャレンジしてみたいですね。
うちは人手不足が解消されるし障害者の方々も安定して働ける場所ができるし、地域貢献にもなる。「三方よし」は商売で一番大事にしなきゃいけないし、地域貢献は起業した者の使命だと思っています。
今はこのお店を回すのに精一杯ですが、起業したらもう上を見て成長するしか道がないので、目標は高く掲げて常に目指していきたいです。
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奈良での起業を目指す人たちにメッセージを。
奈良って都会的な華やかさとか強い刺激はないけれど、上質で文化的な気風、それに人の優しさや自然との調和があって、ものすごく魅力的な場所だと思います。東京のように息苦しくないというか。だから奈良の土地柄が自分に合っていると思う方はぜひ来ていただけるとうれしいし、お商売もすごくやりやすいと思います。
モノを売るのって、その物の長所をいくつ見つけられるか、それをどう上手くPRできるか次第じゃないですか。同じように、起業される皆様も色々な奈良の良さにスポットを当ててうまくPRしていただけたら、もっと可能性は広がると思いますよ。鹿、大仏だけじゃなくてね。
あと新しい夢CUBEを立ち上げて全国から起業家を募るとなるということで、奈良への移住者をとにかく増やしたいんですね。奈良って観光地としてもいいんですけど、住んだ方が絶対いい!素晴らしい場所なので、とりあえず夢CUBEに応募する方には、「住んでもすごくいい所だよ」というのは絶対にお伝えしたいです。あとは覚悟。これはどこでお商売するのにも必要ですよね。
重い話になっちゃいますが、私が起業を決めた時は離婚して子供もいなくて、もう何もない人生のどん底みたいな状態でした。そんな私にとって奈良でカフェを開くというのは、人生の中で自分らしく生きるための命綱というか明かりみたいなもので、それこそ奈良に骨をうずめる覚悟でした。
皆様には自分ほどでなくても、何か夢や希望を持ってほしい。ここは「夢CUBE」って名前がついているんですから。そして強い覚悟があれば何だって乗り越えられますよ。 -

店舗情報
住所:奈良市光明院町13-2-1
電話:070-8509-9942
営業時間:11:00〜16:00
定休日:毎週火・木曜日